言葉・エッセイ
柴犬二匹でサイクロン 大前粟生第一歌集
大前粟生
犬との暮らしや身近な風景は、短歌の中でどこまで自由になれるのか。ユーモアと意外な言葉の組み合わせから、日常が不思議な景色に変わる第一歌集。
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俳句や短歌といった伝統的な日本の言語文化に対して畏怖に似た苦手意識があった。
どことなく畏まって不自由なイメージを勝手に持っていたのだ。
「柴犬二匹でサイクロン」
その聞いたことのないパワーワードに惹かれて衝動がいしたのが本書である。
大前粟生さんという30代の小説家の歌集なのだが、とにかく自由。
自由すぎる日本語。
タイトルにもなっている短歌は
「炎天に柴犬2匹でサイクロン砂埃の名はしあわせ輪廻」
この表現に僕はやられてしまった。
短歌はこんなに自由でいいのかと。
著者は犬を飼っているのか、ワンちゃんに関するユニークな歌が多い。
「電柱を倒す計画犬の尿革命はもうはじまっている」
「街路樹のざわざわ銀河背負いつつ夜から闇のチャウチャウが来る」
ただシュールな言葉遊びでは作れない、混沌とした表現の中に潜む情景をそこに見た。
気になったら、
本棚の外へ。
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